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フラダンスは、自分を解放できる拠り所│大人の習いごと図鑑vol.2「フラダンス」押上早也香さん

自信をつけたり、新たな居場所を見つけたりと、自分を愛する気持ちを高めるためにおすすめなのが、”習いごと”。

習いごとは、今まで触れたことのない世界に触れ、新しいことを知り、「できた!」の成功体験を積み重ねる、とても前向きな行いです。

私(ソラミドmado編集部・笹沼)自身、なんだか毎日が停滞気味でモヤモヤと感じていたときに、その状況を打破したくて習いごとを始めた経験があります。その結果、新しく世界が開け、前向きになることができました。

同じように日々モヤモヤを抱えて過ごす人や、前向きになりたい人に、習いごとの良さを知ってほしい。そんな思いで生まれたのが、ソラミドmadoの連載企画『大人の習いごと図鑑』です。実際に習いごとを楽しむ人にお話を聞き、それぞれの習いごとの魅力を紹介するとともに、その人の内面やライフスタイル、お仕事などにどんな影響があったかについて探ります。

第2回のテーマは「フラダンス」。4年ほど前からフラダンスを習う押上早也香さん(以降:さやかさん)に、お話を聞かせてもらいました。

華やかで親しみやすい。それでいて、打ち込みがいがある

──まずは、さやかさんがフラダンスを始めた経緯を教えてください。

高校でダンス部、大学でストリートダンスサークルに所属していたので、社会人になってからもダンスを続けたいと思っていました。それでしばらくの間はストリートダンスを習っていたんです。当初通っていたのは、さまざまなジャンルのダンスレッスンを行う大きなスクールで、チケット制で好きなレッスンに参加できるところでした。でも、目当てのストリートダンスレッスンとなかなか予定が合わず、チケットが余ってしまうようになって。辞めちゃおうかなぁ……と思っていたとき、チケットを使い切るために参加してみたのが、フラダンスのレッスンでした。

──チケットを使い切るために、たまたま予定が合ったフラダンスのレッスンに参加してみた、という感じだったんですか?

そうなんです。いざレッスンに行ってみたら、みんなカラフルでかわいい“パウスカート”を履いているのが素敵で、心がくすぐられました。習っている人の年齢層も幅広いし、経験問わず「誰でもウェルカム」な空気も心地よくて。それで、気づいたら週1で通うようになっていました(笑)。その後はもっと本格的に習いたいと思うようになって、フラダンスとタヒチアンダンスを専門にする教室に移り、今は週に3回ほど通っています。

──週に3回も! ストイック……! どうしてそこまで、フラダンスにのめり込んでいったのでしょうか?

華やかで楽しそうで、親しみやすい。それでいて難しさと打ち込みがいがあるから……ですかね。

フラダンスって、ゆったりとした動きのイメージがあったりして、一見簡単そうに見えませんか? でも、いざやってみたら結構難しくて。もちろん練習を重ねれば、姿勢の美しさや動きのなめらかさ、やわらかさなど、身体の使い方の部分はどんどん上達できます。でも、それだけでは”人を惹きつける”ところまではなかなかいけないんですよね。

フラダンスの振り付けは曲の歌詞に沿ったものが多く、上手な人は歌詞の意味を理解して、自分なりに咀嚼したうえで、踊りに乗せて表現しています。この感情表現が豊かだと、表情だったり、纏う空気感だったりに、ぐっと引き込まれるんです。

──なるほど。確かにフラダンスは門戸が開かれている感じがあって親しみやすいです。それでいて、表現の難しさや奥深さと向き合いながら、とことん打ち込む楽しさも味わうことができるんですね。

今、私は対外的なショーに出るためのクラスに参加しています。実際に何度かショーで踊らせてもらったこともあり、これからもっと人を惹きつけるショーダンサーになっていきたいと思っています。そのために、日頃から自分自身の感情の動きを大切にしたり、人の表情をよく見たり、テレビのオーディション番組を見て”魅せ方”を研究したりして、感情表現の部分を磨いているところです。

ダンサーとして、人を笑顔にできる人間でありたい

──今ではショーダンサーとしても活躍されているんですね。すごいです。ショーダンサーになると、たとえばどんな場で踊ることになるんでしょうか?

商業施設や地域で開催されるハワイアンフェスなどのイベントで踊ることが多いですね。まだまだ少しずつ、ショーのメンバーに選んでもらえる機会が増えてきたところですが、これからもっといろいろなショーに出られるように頑張りたいです。

日頃から先生たちには、ショーダンサーとしての意識を高める声をかけてもらうことも多くて。見た目の清潔感だったり、佇まいだったり、行動だったり。踊っている間だけではなく、普段から人を笑顔にできる人間でいよう、と気を引き締めています。同じクラスに参加しているメンバーのみなさんも、そういった意識を高く持っているので、いつも刺激を受けていますね。こういった意識の変化のおかげで以前よりも自分に自信を持てるようになった気がしますし、フラダンスそのものが持つ開放的な雰囲気の影響もあって、日常に華やかさがプラスされたような感じがあるのも嬉しいです。

写真:さやかさん提供
写真:さやかさん提供

──フラダンスを始めたことで、日常がどんどん明るくポジティブに変化していったことがうかがえます。ほかにも、何か良い変化などはありましたか?

習っている人の年齢層が幅広いので、仕事をしているだけだったら深く接することがないような年代の人とも仲良くなれました。下の世代だと中学生の子もいるし、上の世代では50、60代……それこそ自分の母と同世代くらいの人もいます。普段のレッスンだけでなく、ショーや発表会が近づくとみんなで衣装を確認しあったり、本番が終わったら打ち上げをしたりもするんです。学生時代のように濃い時間を過ごしているので、自然と心の距離も近づくんですよね。

それと、仕事でしんどいことがあった日も、ちょっとした悩みを聞いてもらえるのが本当にありがたくて。人生の先輩方から「わかるわかる」「私もそういうことあるよ」と言ってもらえるだけで、スッキリと気持ちが楽になります。去年、部署が異動になった関係で慣れない仕事をすることも増えたのですが、こうやってちょこちょこ発散できるようになったおかげで、あんまりクヨクヨせずに過ごせていますね。フラダンスを頑張っていることで、自分に自信が持てるようになってきたというのもあるかもしれません。

──年の差は関係なく、同じ志を持つ仲間として良い関係を築かれているのですね。今後、どのようにフラダンスを続けていきたいと考えていますか?

私にとってフラダンスは、自分を解放できる拠り所というか、大切な表現の場になっています。だから今後、ライフスタイルが変わったりして、今ほど通えなくなるときが来たとしても、頻度や形を変えながらずっと続けていきたいですね。身近にも、そうやって柔軟にフラダンスを続けてこられた先輩たちがいますし。

──”自分を解放できる拠り所”。素敵ですね。

私が通う教室では、先生が一人一人にダンサーとしての”フラネーム”をつけてくれるんです。人前で踊るとき、どうしても緊張で身体が縮こまってしまうことがあっても、フラネームがあるおかげで「今の私はフラダンサーだから!」と思える。それでのびのびと自分を解放し、表現できます。私は、普段はつい照れてしまったりで、そんなに感情を爆発させられなかったりするところがあって。だからフラダンスをしている間は、憧れの姿に近づけるというか。でも、普段の控えめな性格も”自分らしさ”だし……。うまく言えないけれど、今は”さやか”と、フラダンサーとしての私、それぞれの自分がいることで、バランスを取れているんだと思います。

・ ・ ・

華やかな衣装と、しなやかで美しい動き、南国の風を感じる音楽で、見る人を明るい気持ちにさせてくれるフラダンス。習いごととして幅広い世代に親しまれているイメージがありましたが、今回さやかさんにお話を聞いて、奥深い魅力を知ることができました。フラダンスを通じて、普段とは少し違った自分を解放できるというのにも、なんだか憧れます。自分自身も気づいていなかった新たな一面が見つかる、なんてこともありそうですね。

『大人の習いごと図鑑』では、今後もさまざまなジャンルの習いごとにフォーカスし、ライフスタイルやキャリアにどんな良い影響があるかお話を聞いていきたいと思います。次回もお楽しみに。

さやかさんが通われているフラダンス教室はこちら

ナ・ホク・オ・カヘアラニ フラ&タヒチアン ダンススタジオ
https://nahokuokahealanijp.com/

↓さやかさんが通われているフラダンス教室のみなさんが参加したイベントの様子

ソラミドmadoについて

ソラミドmado

ソラミドmadoは、自然体な生き方を考えるメディア。「自然体で、生きよう。」をコンセプトに、さまざまな人の暮らし・考え方を発信しています。Twitterでも最新情報をお届け。みなさんと一緒に、自然体を考えられたら嬉しいです。https://twitter.com/soramido_media

取材・執筆

笹沼杏佳
ライター

大学在学中より雑誌制作やメディア運営、ブランドPRなどを手がける企業で勤務したのち、2017年からフリーランスとして活動。ウェブや雑誌、書籍、企業オウンドメディアなどでジャンルを問わず執筆。2020年からは株式会社スカイベイビーズにも所属。
https://www.sasanuma-kyoka.com/

撮影

飯塚麻美
フォトグラファー / ディレクター

東京と岩手を拠点にフリーランスで活動。1996年生まれ、神奈川県出身。旅・暮らし・人物撮影を得意分野とする。2022年よりスカイベイビーズに参加。ソラミドmado編集部では企画編集メンバー。
https://asamiiizuka.com/

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