それはまるで、小さい子が大切なおもちゃを自慢するかのように|編集部が選ぶ2022年ソラミド推し記事
ここだけの話。年末年始は、ちょっぴり苦手です。
なんの気なしに1年を振り返ると、「あれもできなかったし、これもできなかった。全然ダメだったなぁ」と落ちていってしまうから。
僕の性格もあるのでしょうが、周りの人の1年がキラキラして見えてしまうんです。そして、「来年は頑張るぞ!」と息巻いて新年を迎えては、2週間足らずでガス欠。「また頑張れないのかぁ…」と自己嫌悪に陥る。
気分の乱高下。年末年始の、ちょぴり苦手な部分です。
でも。2022年12月最終週。今年は少し違いました。
あいも変わらず「ダメだったなぁ」と落ちていくなか、なんだか誇らしい気持ちが見え隠れしているんです。そして浮かぶのは、ソラミド編集部の仲間、お話を聞かせてくださった方、感想を送っていただいた読者さん、「記事読んだ!めっちゃ良かった!」と伝えてくれた友人、一人ひとりの顔。
あれもできなかったし、これもできなかった。でも、2022年の1年間で、こんなにもたくさんの人の顔が浮かぶようになったのか。
そこは誇っていい気がします。前向きにはなれずとも、胸を張っていい気がします。
そして思ったんです。小さい子が大切なおもちゃを自慢するみたいに、「編集部員が選ぶ2022年のソラミド推し記事をお伝えしてみたいな」って。
僕たちの宝箱を、ぜひ覗いていってください。僕たちの宝物から、みなさんにとっての宝物になり得る“なにか”が見つかったら幸いです。
どの記事にも思い入れがあって“推し“を選ぶのがめちゃくちゃ難しいのですが、2023年に向けて、新しく何かを始めたくなるようなこちらの記事を挙げたいと思います。
自分らしくポジティブに生きていくには、“自信“が必要。「その自信をつけるのが難しいんだよなぁ…」と思っていたとき、前野先生から「若いうちは自信が持てなくて当たり前。どんなにちいさなチャレンジでも、まずは行動すること!」という言葉をいただきました。
ちいさな行動を積み重ねるうちに、いつかきっと、自分らしさが形づくられていく。
「1日3分の頑張りでも、40年間積み重ねれば非常に大きなものになっていく」という前野先生の言葉に勇気づけられ、私も取材後から意識的に「いつもと違う行動」そして「新しい発見」にチャレンジしています。以前から興味を持っていた刺繍の教室にも通い始めてみたり!
この記事を読んでくださっているあなたも、新年最初の散歩で、いつもとちょっと違う道を通ってみませんか? きっと新しい発見があるはず。
その発見が、今後のあなたらしさを形づくる大切なピースになっていくかもしれません。
2023年、ソラミド読者のみなさんが、もっともっと自分らしく、自信を持って生きていけますように!
(ソラミド編集部ライター:笹沼杏佳)
バランスってなんだろう。
友だちから、仕事の相談を受けることがある。「やりたいことはやれている。でも、給料が安いんだよね」とか、「忙し過ぎて、プライベートの時間がないんだよね」とか、どれも自分も一度は感じたことのあるような悩みで、頭を縦に振りながら、聞いている。
友だちによって、全く違う悩みを抱えている。でも、大体いつも同じ結論に行き着く。それが「結局、バランスだよね」だ。さらに言えば、「そのバランスが難しいんだよね」だ。
身体も、心も、仕事も、お金も、恋愛も、人間関係も。引いては生きることも、バランスが大切なんだと思う。ただそのバランスとは一体何なのかがわからないでいた。
けれど、姿勢研究家・片山賢さんから「バランスとは何か」のヒントをいただけた。
極端なことを言えば、何か不快に感じるときは「多すぎるか、少なすぎるか、停滞しているか」の3つのどれかが原因です。
(中略)
そして自然はこの3つのどれかの状態になったら、自ずと解消するように動くんです。多すぎれば減らすように、少なすぎれば補うように、とどまり続けることなく、変化し続けます。
仕事に悩む友だちは、もしからしたら何かが多すぎるか、少なすぎるか、停滞している状態なのかもしれない。その状態を解消しようと、自然と動こうとしているのかもしれない。
「バランス」とは、自然の動きに抗うことなく従うこと。いまはそんな考えに落ち着いた。
来年もきっと、バランスを崩すことがきっとある。そんなときに、「自分はいま、多すぎるか、少なすぎるか、停滞しているかのどの状態だろう」と考えたい。そして、身体や心はどう動こうとしているのかを感じ、抗わずに従いたい。
そうすれば少しは心地よく過ごせるような気がする。
(ソラミド編集部ライター:佐藤純平)
特別なことではなく、日常の中で「自分を大切にする時間」が持てたなら。来年こそはそんな時間を増やしたい!そんな方にぜひ、年末年始読んでもらいたいのが、料理家/管理栄養士・長谷川あかりさんにインタビューをした記事です。
十人十色の生き方や働き方はあれど、みんな毎日「食べている」。「食」というのは面白いなと思います。何を食べても、いつ食べても、どんなふうに食べてもいい。だからこそ料理って、負担になったり、楽しい時間になったりもしますよね。
私のレシピには「簡単だけど、自己肯定感が上がるものを」って想いを込めているんです。
長谷川さんのこの言葉に、わぁ~~~!わかる!と心の中で大きく頷いてました。疲れていても1日の終わりに自分の食べたいものを作れると、「自分えらい!今日も生きている!(少し大げさに聞こえるけど本当に)」と、暮らしを実感できるし、それって自己肯定感にもつながるなと。
私、料理って、クリエイティブな活動だよなぁって思うんです。(中略)
自己肯定感が上がる料理には、クリエイティビティが大切な気がするんですよね。逆に言うと、クリエイティビティがないと作業になってしまう。
「やらなければならないことリスト」を片付けるだけで日が暮れてしまう日もあるかもしれないけれど、それ以上に「自分で考えて作っている感覚」って生きていく上で大切だと思うんです。
台所に立つときだけは、自分が食べたいものを、好きなように作ろう。そう思うと、まな板が自分だけのステージのように思えてきて。包丁も鍋も食材たちも、一緒に作品を作り上げる演者のように思えてきて。
手を抜いてもいい、無理をしなくてもいい。自分の創造力がわくわく駆り立てられる「料理」は、自分を大切にする時間になってくれるはず。
長谷川さんの言葉から、そんなことを感じました。
料理が作業になってしまっているな、と感じたら。頭を空っぽにして、心の赴くまま「食」を楽しむ。そんな日常を2023年も大切にしたいです。
(ソラミド編集部ライター:貝津美里)
コロナ禍で様々なことがままならなかった2020〜2021年を経て、移動の自由が戻ってきた2022年。3年ごしに海外へ行ったり、毎月岩手と東京を往復したり。わたし個人にとっても人生で一番多く移動した1年だった。
たくさん移動することで、浮遊しているような感覚になり、「こういう生活が良いのか、悪いのか?」とそこに対して答えを出したいと思うことがあった。
答えを出す、つまり何か決断をするということで楽になりたいと思っていたんだな、と気づいたのがこの記事だった。
安井:力んでいない生活は、周りの人を楽にさせていると思うよ。白か黒かを規定されないって、実は居心地がいいから。
しまだ:そうなんですよね、答えってつい出したくなりますけど、答えを決めすぎると在り方がカチコチになっちゃって。だから、私は答えより問いかけが大好き。
その時々で考え方も変わるから。何かひとつの答えを出すんじゃなくて、常に問いかけ続ける。その方が性に合ってますね。
そうだ、決めすぎなくていいんだ。
問いかけ続けることで、少しずつ変わっていける。カチコチではなく柔軟な自分で居続けることへのヒントをいただいた。
(ソラミド編集部フォトグラファー:飯塚麻美)
“物語”に魅せられて、人生をおくってきた。小説を読み、何度涙を流したのだろう、何度心を熱くさせたのだろう。ページのなかの世界にのめり込むうちに、目の前の世界もこうだったらいいのに、と思うようになった。それは別に剣や魔法を欲しているのではなく、“感情の揺れ動き”とでも呼べるものが欲しい、という感覚。
きっと、色が失われていく世界が怖かったのだと思う。同じことを繰り返し続け、未来への不安は大きくなり、なぜ生きていくのかもわからない。日々に、感情という色が欲しかった。
けれど、人生に対して安易に物語性を求めるのは、暴力にもなり得ると知った。生き方編集者・山中康司さんに教わったことだった。
「人生の物語」を語ることは、「物語のある人生を生きるべき」って語ることと、なんら変わりがない。ある種の暴力性をはらんでいる。
だから、「人生の物語」や「生き方編集者」ということばを、なるべく使わないようにしたんです。僕が、嫌だから。
結果的に、物語のような人生になることはあると思う。でもそれは、振り返ったときにはじめて分かることであって、「物語のある人生を生きよう」としてつくるものではない気がする。
物語が美しいのは、縁と偶然が絡み合い、ひとつの糸になるから。だったら、感情の揺れ動きを願うのではなく、いまに向き合い生きていくことこそが必要なのかもしれない。
読み返すたびに、改めて“いま”を大切にしようと思える、僕にとって大切な記事だ。
(ソラミド編集長:安久都智史)
本当に、たくさんの出会いがありました。もちろん、別れもありました。楽しいこともあったし、悲しいこともあった。その全てに意味がある…なんて強い言葉は言えないけれど、その全てが存在したという事実は忘れずにいたいと思います。
また僕たちの宝箱を覗きにきてくださいね。いつでも待っていますから。
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