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今年も一年ありがとうございました。編集部が選ぶ、2024年ソラミドmado推し記事

2024年5月、『ソラミド』は『ソラミドmado』として新たなスタートを切りました。

さまざまな人、もの、ことの自然体を覗き、探究していきたい。
私たちが自然体を探求している姿を、読者のみなさんに覗き見してほしい。
そして、みなさんの心の風通しをちょっとよくしたい。

そんな想いを込めて、従来の『ソラミド』という名前に『mado(窓)』がつく形になった私たち。

再スタートを切る前、『ソラミド』をもっとよくしたいという一心でメディアのあり方についてあれこれ考えたり思い悩んだりしているうちに、気づけばしばらくの間記事の公開が滞ってしまった時期もありました。いつも記事を楽しみに待ってくださっていた読者のみなさんには不安な思いをさせてしまったかもしれません。

2024年の春先から編集部の体制も一部変化し、またみなさんに「自然体」のヒントをお届けしていこうと、記事の制作を再開しました。パッと見は大きな変化はないかもしれませんが、私たち編集部としては生まれ変わったような気持ちでひたむきに頑張った2024年でした。

そうやって新たな一歩を踏み出した5月から、2024年中は26本の記事を公開することができました。

今回は2024年の振り返りも兼ねて、編集部の5名が印象深い記事をそれぞれピックアップ。すべての記事が大切な宝物なので、選ぶのにとても苦労しましたが、全員心を込めてコメントを寄せたので、ぜひご覧いただけたらうれしいです。


自分と向き合うというのは、自分の中にある感情をじっくりと観察することなのかもしれない。

「怒らなそう」

ぼくが周りからよく言われる言葉だ。

けれど、昔からそうだったわけではない。むしろ、昔はよく怒る方だったと思う。家族や友だちと喧嘩をよくしていたし、あからさまに不機嫌な態度を取ることもよくあった。ただただ子どもだったと言えるかもしれない。でも大人になってからも喧嘩をする人、不機嫌な態度をとる人もいる。

正確に言えば、ぼくも怒らないわけではない。よく怒っている。でも、その感情をあらわにするようなことはできるだけ避けている。感情に支配されないように気をつけているのだ。

例えば、嫌なことがあったとき、何が嫌だったのか、どうして嫌だと思うのかと一歩引いた目で自分を見るようにしている。心理学で言うところのメタ認知というものだ。そうすると、腹の底から湧き上がるような怒りが、徐々に静まっていく気がしている。怒りだけではなく、悲しみや苦しみといった感情とも同様に付き合うようにしている。

自分と向き合うというのは、そうやって自分の中にある感情をじっくりと観察することなのかもしれない。「CAREN」というブランドを立ち上げ、ジャーナリングブックやカウンセリングなどを提供している友人の松浦桃子さんも同じようなことをおっしゃっていた。

“感情には良いも悪いもないじゃないですか。自然と湧いてくるものであって、それに意味づけしているのは自分なんです。

だから、何かモヤモヤを感じるときは感情を観察してみてほしい。どうしてこんな気持ちになっているんだろう、本当はどうしたいと思っているんだろうってじっくりと向き合ってみてほしい。”

感情に関わらず、この世のすべての事象はフラットなのではないだろうか。そしてそこに意味を付与しているのは自分自身なのではないか。

だからこそ、答えは常に自分の中にある。そんな気がしている。

ぼくは周りからの影響を受けやすいタイプ。社会の出来事や時代の流れ、周りにいる人たちのちょっとした言動によって、よくブレてしまう。でもそんなときこそ、焦らずにじっくりと自分と向き合って、自分なりの答えを出していけたらと思っている。

今年の振り返りや新年の目標を立てるときに、この記事をヒントにしてもらえたら嬉しい。

(ソラミドmado編集部・佐藤純平)

佐藤純平
ソラミド編集部

ああでもない、こうでもないと悩みがちなライター。ライフコーチとしても活動中。猫背を直したい。
Twitter: https://twitter.com/junpeissu


“生きがい”を自分の内側にもっていられたら、もっとしなやかに、軽やかに表現活動をできるかも。

今年、連載としてスタートした「自然体な自己表現に向き合う」の特集。

描く、歌う、紡ぐ、踊る、撮る…。自分がもっているものと向き合い、それを外に現す。それは特別なことではないはず。

でも、私も含めた多くの人が、「下手くそだし」「必要がないし」「なんかアーティスト気取りってキモいかな」と、何故か“自己表現”から引き下がることに、違和感を感じていました。

誰もが自然体に自分を表現することができたら、わたしたちはもっと軽やかに生きられるのではないか。

そう思って今年は3人の人に同じテーマでお話を聞きました。その内のおひとり、ジャズピアニストとして活動をしながら、オープンマイク(誰でも立てるステージ)の場をつくっている植田響さんの言葉が印象的でした。

やっぱり発表できる場があると、「その日まで頑張って練習しよう」という気持ちになれるじゃないですか。何かしんどいことがあっても、せめてその発表の日までは生きられますよね。表現は生きる力になるって、僕は本気で思うんですよ。

“生きる力”は、言い換えると“生きがい”のようなものだと思います。私自身も、その“生きがい”を自分の内側にもっていられたらもっとしなやかに軽やかに表現活動をできるかも、と勇気づけられました。

今回の記事で執筆を担当していただいたライターのれいさんも、この部分を拾い上げてくださいました。原稿を読み、改めてひびきさんの純粋な想いに触れて心が揺れ動き、思わず「ひびきさん、かっこいいなあ」とコメントをいれてしまいました。

2024年は個人的にも生活が変わった年。拠点を海外に移したタイミングでもありました。2025年はソラミドでも国外での取材を企画してみたいと思っています。

(ソラミドmado編集部・飯塚麻美)

飯塚麻美
フォトグラファー / ディレクター

東京と岩手を拠点にフリーランスで活動。1996年生まれ、神奈川県出身。旅・暮らし・人物撮影を得意分野とする。2022年よりスカイベイビーズに参加。ソラミドmado編集部では企画編集メンバー。
https://asamiiizuka.com/


「習いごとは人を表す」と言ってもいいんじゃないかとさえ思っている。

夢中になれることがある人が、うらやましい。大人になってからそう思うことがたびたびあった。何かに夢中になっている人って、いきいきとポジティブなエネルギーに包まれているように感じていたから。

子どものころは絵を描くのが好きだったり、学生時代は部活動に人生を捧げたりしていたけれど……大人になるにつれて“時間を忘れるほど何かに没頭する”ことは、いつしかほどんどなくなっていた。特に20代のころは毎日仕事に追われて、時間にも気持ちにも余裕がなかったというのもあると思う。

30歳になるくらいからようやく社会人生活にも慣れてきて、少しずつではあるものの余裕が持てることも出てきた。それはそれで「自分はこのままでいいのかな?」と、焦りを感じるようにもなった。そんなとき、自分も何か夢中になれることに出会って自信をつけたくて、習いごとを始めてみることにした。

一念発起して通い始めた日本刺繍の教室。今まで触れることのなかった世界に触れ、新しい知識や技術を習得し、少しずつできることが増えていく。色とりどりの美しい絹糸たちに心が癒やされる。指先にも目にも、これでもかと神経を集中させ、一針一針狙い澄まして刺していく。すべてが新鮮で、自分の置かれる世界がパッと明るくなったような気がした。「何かを心から楽しみ、頑張っている自分」のことも好きになれて、ちょっと自信もついた。

そんな「習いごと」のよさを知ってほしくて始めたのが、『大人の習いごと図鑑』の連載企画。実際に習いごとを楽しむ人にお話を聞き、それぞれの習いごとの魅力を紹介するとともに、その人の内面やライフスタイル、お仕事などにどんな影響があったかについて探っている。2024年中には2本の記事を公開することができた。

“知らなかったものを新しく知って、そのいくつかにさらに興味を持って、深掘りして、そこからもっと世界が広がって……と繰り返していくなかで、「こんなことに興味を持つ自分もいるんだな」と、自分の新しい側面に次々と気づけるんです。”

(vol.1「茶道」村田舞さん)

“私は、普段はつい照れてしまったりで、そんなに感情を爆発させられなかったりするところがあって。だからフラダンスをしている間は、憧れの姿に近づけるというか。でも、普段の控えめな性格も”自分らしさ”だし……。うまく言えないけれど、今は”さやか”と、フラダンサーとしての私、それぞれの自分がいることで、バランスを取れているんだと思います。”

(vol.2「フラダンス」押上早也香さん)

習いごとは、簡単に言ってしまえば“趣味”であって、生きていくために必要な「生活」や「仕事」と比べると、どうしても優先順位は下がるものかもしれない。事実、私自身も生きていくだけで精一杯だった時期には、そもそも習いごとをしようなんて思い至らなかった。

けれど習いごとは、間違いなくその人自身を形づくる大切な要素のひとつだ。何を選び、どんな世界に惹かれるかが人となりを表すし、習いごとで得た経験や知識、人間関係が価値観にも影響を及ぼす。2024年にお二人に取材をした結果、すでに「習いごとは人を表す」と言ってもいいんじゃないかとさえ思っている。

2025年も、ぜひいろいろな習いごとや、それに没頭する人たちのことを知ってみたい。そして私自身も、出産を機にしばらくお休みしてしまっている日本刺繍をまた始められたらいいなぁなんて思う。

※「こんな習いごとを取材してほしい!」「自分はこんな習いごとをやっているよ!」などのご意見や情報がある人は、ソラミドmadoのXや、2025年に設置予定の読者アンケートフォームからぜひぜひお声を聞かせてください!

(ソラミドmado編集部・笹沼杏佳)

笹沼杏佳
ライター

大学在学中より雑誌制作やメディア運営、ブランドPRなどを手がける企業で勤務したのち、2017年からフリーランスとして活動。ウェブや雑誌、書籍、企業オウンドメディアなどでジャンルを問わず執筆。2020年からは株式会社スカイベイビーズにも所属。
https://www.sasanuma-kyoka.com/


「天職にこだわらなくてもいい」という言葉に、気持ちがずいぶんと楽になった。

これでもない、あれでもないといろんな仕事や職場を経験し、やっとたどり着いた今の仕事。これぞ天職だ!と思っていたはずなのに、少し違和感や苦しみが出てくるようになった。

一体、いつになったら自分の仕事に100点をつけられるようになるのだろう。天職がそこら辺に転がっていればいいのになあ。

そう思っていた時に、心が救われた記事があります。

“いわゆる天職というものに固執し過ぎなくてもいいのかなと思います。自分の天職はなんだろうといくら探しても見つからないこともあるだろうし、天職だと思っていても上手くいかないこともきっとある。

そういうときに、天職にこだわり過ぎていると、視野が狭まってしまうと思います”

「天職にこだわらなくてもいい」。小野田さんの言葉に気持ちがずいぶんと楽になりました。天職ってそんな簡単に見つからないものだし、見つかったとしても、自分が変化し続ける限り、不足感や違和感が生まれて当然なんだと。今の仕事に向いていない部分があってもいいんだと少し自分に優しくなれました。

“何か行き詰まっているなと感じているのであれば、それがターニングポイントなのかもしれません。だから、一度立ち止まってみてもいいと思います。

自分とじっくり向き合う時間を作ってみるとか、やりたいと思っていたけどできていなかったことをやってみるとか。(中略)立ち止まってみると、次につながるヒントがきっと見つかるはずです。

あとは、そのヒントをもとに、一歩踏み出してみる。そうやって少しずつ自分に合う形に仕事を作り変えていけば、いつか天職と言えるようになるのかなと思います。”

正直、今の仕事が自分に合っているか聞かれると、「60点」くらいなんだと思う。でも、それを100点に近づけていけばいいんだと勇気づけられました。少し立ち止まって自分の大切にしているものを確認してみたり、視野を広げて新しいことに挑戦してみたり、必要であれば何かを手放してみたり。2025年は、天職を掴み取る!と意識しすぎず、自分に合う形に仕事を作り変えていくことを意識して、生きていきたいと思います。

(ソラミドmado編集部・上野彩希)

上野彩希

岡山出身。大学卒業後、SE、ホテルマンを経て、2021年からフリーランスのライターに。ジャンルは、パートナーシップ、生き方、働き方、子育てなど。趣味は、カフェ巡りと散歩。一児の母でもあり、現在働き方を模索中。

X:https://x.com/sakiueno1225


お互いを承認し合う、難しいけれどそれだけなのかもしれない。

会社経営にはめざすべきゴールがある。

ミッションがあり、ビジョンがあり、バリューをさだめられた環境で、社員一人ひとり「ありのままの自分」でいられる方法なんてあるのか。「ありのままの自分」の集合体なんて組織として統率できるわけがない。そう思うこともある。

でも違う。「ありのまま」という定義が違うのだと。自分という存在は他者との関係の中で成り立っている。家族、友人、先生、先輩、上司。いろんな人がまわりにいて「私」という存在がある。「ありのまま」には地続きの他者がいる。だから自分が「ありのまま」でいるためには、他者のどんな在り方をも大切にすることからはじまるのだ。

バザールカフェの松浦さんは言った。

それぞれの存在を尊重するというのは、その人の属性とか肩書きとかわかりやすいものだけを尊重するのではなく、個人的な言動や態度、考え、たたずまいなど、その人のあらゆる面を承認することかもしれません。

お互いを承認し合う、難しいけれどそれだけなのかもしれない。全員がそれに向き合うことさえできれば、あとは一緒にゴールを目指せばいい。何も矛盾することはない。

誰しもが毎日のように心が揺れ動いている。だから、会社という全体も揺れ動く。会社はひとつの生命体で、その揺れ動きは細胞のそれのようでもある。ひとりが悲しくなれば全員が悲しくなる。誰かがしあわせを感じれば全員がうれしくなる。

僕個人の存在なんてちっぽけだ。ひとりだけでは何もできないし、自信がなくて、大した勇気もない。それでも僕自身の「ありのまま」はそれを凌駕できると信じている。共に生きる仲間がいるから。社員だけじゃない。友人、知人、みんなの力が私の力になる。

誰もがそうであるということを信じて、来年も新しいゴールに向かう。

(ソラミドmado編集部・安井省人)

安井省人
株式会社スカイベイビーズ代表取締役/クリエイティブディレクター

クリエイティブや編集の力でさまざまな課題解決と組織のコミュニケーションを支援。「自然体で生きられる世の中をつくる」をミッションに、生き方や住まい、働き方の多様性を探求している。2016年より山梨との二拠点生活をスタート。
note: https://note.com/masatoyasui/


私たちにとって、新たな一歩を踏み出した2024年。

今年はメディアとして、またみなさんに記事を通して「自然体」のヒントをお届けすることに尽力した1年でした。

2025年も変わらずみなさんに記事をお届けしていくとともに、その先の「私たちにできること」についてもあれこれ考えていくつもりです。ぜひ、楽しみに見守っていただけたらうれしいです。

そんなチャレンジの先駆けとして、2025年の1月にはオフラインでのイベントも開催します。
ソラミド編集部のメンバーと一緒に、それぞれの自然体の生き方についてあれこれ話しましょう!
イベントの詳細や申込みは、以下のページをご覧ください。みなさんにお会いできることを楽しみにしています。

↓イベントの詳細はこちらの画像をクリック↓

ソラミドmadoについて

ソラミドmado

ソラミドmadoは、自然体な生き方を考えるメディア。「自然体で、生きよう。」をコンセプトに、さまざまな人の暮らし・考え方を発信しています。Twitterでも最新情報をお届け。みなさんと一緒に、自然体を考えられたら嬉しいです。https://twitter.com/soramido_media

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